読書の記録_国外作家さ行

書店主フィクリーのものがたり

ガブリエル・ゼヴィン/著 小尾芙佐/訳 ハヤカワepi文庫 最後がそんなオチになるとはだった。 ベタといえばベタかもだがいい話。 紹介されている本のチョイスもよし。 偏屈な書店主フィクリーが 赤ん坊マヤに出会うことで人生が一変する。 日本だと、書店の上…

残虐行為記録保管所

チャールズ・ストロス/著 金子浩/訳 早川書房 SF+クトゥルー+スパイスリラー。 後半がついていくのが大変だった。 数学理論が魔術になる設定は面白い。 あと、主人公の語り口調はイギリスジョークか。 同時収録の続編中編『コンクリート・ジャングル』 の方…

なぜ、いじめっ子は殺されたのか?

ジム・シュッツ/著 山口和代/訳 集英社 1993年7月にアメリカのフロリダで おこった「ボビー・ケント殺害事件」のノンフィクション。 『BULLY』というタイトルで映画化もされているらしい。 殺害された少年はタイトル通りいじめっ子で犯罪めいた行為も 繰り返…

警官殺し

マイ・シューヴァル、ペール・ヴァールー/著 高見浩/訳 角川文庫 シリーズもの最後から2番目の話だったらしく、 過去シリーズでの犯人たちが登場し 刑事マルティン・ベックと交流していた。 すでに福祉国家と呼ばれいていた 1970年代初頭のスウェーデンの問…

イヴの七人の娘たち

ブライアン・サイクス/著 大野晶子/訳 ソニーマガジンズ 2001年発行なので情報が古めだから 現在はもっと研究が進んでいるだろう。 ヨーロッパ人の先祖は七人の女性からきている という話でロマンがある。

戦いの虚空  老人と宇宙5

ジョン・スコルジー/著 内田昌之/訳 ハヤカワSF文庫 13のエピソードから構成されている。 ジョン・ペリーは今回は登場せず、 軍の同期のハリーがメインを張っている。 後半は良かったが、前半が物語に入り込めなかった。 ハリーの優秀度が浮き彫りに。

シートン動物誌〈1〉ピューマの遊び心

アーネスト・トンプソン・シートン/著 今泉吉晴/訳 紀伊國屋書店 「動物記」は動物の物語だったが、 本作は「動物誌」なので動物の生態が書かれている。 とはいえ、対象動物の簡単なエピソードもあるのが楽しい。 シートンの動物画がいろいろ見られるのも良…

時間線をのぼろう

ロバート・シルヴァーバーグ/著 伊藤典夫/訳 創元SF文庫 SFのみならず、ミステリやノンフィクション、 ソフトポルノ小説も書いてきた作者らしく、 いろいろな要素を取り入れて エンタテインメントな作品に仕上がっている。 タイムパラドックスのパターンが多…

ゾーイの物語 老人と宇宙4

ジョン・スコルジー/著 内田昌之/訳 ハヤカワSF文庫 『最後の星戦』をペリーの養女であるゾーイの視点で語られる物語。 話の不足分を補足した感じ。 ゾーイが主役になると、彼女の環境はともかく 能力チートぶりがすごいな。

最後の星戦 老人と宇宙3

ジョン・スコルジー/著 内田昌之/訳 ハヤカワSF文庫 シリーズ三作目。 一作目主人公ジョン・ペリーが、またもや主役となる。 二作目で触れられていたコンクラーベが ジョンたちに大きく関わって結構波乱万丈だった。 新コロニー運営生活がコンクラーベのせい…

遠すぎた星 老人と宇宙2

ジョン・スコルジー/著 内田昌之/訳 ハヤカワSF文庫 老人部隊ではなく、 複雑な事情で生まれた主人公が所属する 子ども部隊のメンバーがメイン。 1作目では語りきれなかった宇宙移民、地球の状態などが 本書では関わっている。

老人と宇宙

ジョン・スコルジー/著 内田昌之/訳 ハヤカワSF文庫 ハインラインの『宇宙の戦士』のオマージュらしいが、 75歳の老人が、新たな肉体(表紙イラストはそのイメージ)を得て 宇宙人と戦闘を行うというアイデアが面白かった。 シリアスもユーモアもバランスよ…

エージェント6 (上)(下)

トム・ロブ・スミス/著 田口俊樹/訳 新潮文庫 レオ・デミドフ主人公三部作の完結編。 下巻最後の一ページ以外は レオにこれでもかと試練を与えて気の毒。 冷戦時代の旧ソ連とアメリカとの謀略に巻き込まれすぎ。 アフガニスタンの部分はもう少し短くても良か…

オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史:2 ケネディと世界存亡の危機

オリバー・ストーン、ピーター・カズニック/著 熊谷玲美、小坂恵理、関根光宏、田沢恭子、桃井緑美子/訳 早川書房 トルーマンからニクソン政権まで。 冷戦開始から他国への軍事介入や 核をちらつかせて脅すアメリカて。

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

オリバー・ストーン、ピーター・カズニック/著 大田直子、鍛原多惠子、梶山あゆみ、高橋璃子、吉田三知世/訳 早川書房 アメリカの近現代史。 教科書で語られるのが表なら、こちらは裏歴史。 自由と民主主義を謳っているアメリカは 裏返せばいかに自分を利益…

チョコレート・アンダーグラウンド

アレックス・シアラー/著 金原瑞人/訳 求龍堂 以前から気になっていた本。 前半のチョコレート密造よりも後半の革命の方が勢いがあった。 児童書の体裁ではあるが、チョコレート(自由)を奪われないために、 何をすべきかは考えさせられた。

くじ

シャーリイ・ジャクスン/著 深町眞理子/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 <収録作品> 『酔い痴れて』『魔性の恋人』『おふくろの味』 『決闘裁判』『ヴィレッジの住人』『魔女』 『背教者』『どうぞお先に、アルフォンズ殿』『チャールズ』 『麻服の午後』『ドロ…

なんでもない一日

シャーリイ・ジャクスン/著 市田泉/訳 創元推理文庫 不穏でいやな感覚が残る話が大半な 短編集。 しかし、後半に収録されていた子育てエッセイものは すごくユーモア溢れて笑えるんですけど。 作風が違いすぎで驚き。

実録 ドイツで決闘した日本人

菅野瑞治也/著 集英社新書 知られざるドイツ学生結社について 著者が体験したことを踏まえて書かれた本。 現代でも真剣を用いた決闘が行われている という事実に驚きと好奇心が。

プリズン・ボーイズ―奇跡の作文教室

マーク・サルツマン/著 三輪妙子/訳 築地書館 著者が経験したアメリカの少年院のようなところでの 作文ボランティアの出来事をまとめたノンフィクション。 アメリカの貧困層の少年たちの人生で いかに犯罪に踏み込まずに済むかの困難さが感じられた。 未成年…

海辺の家

メイ・サートン/著 武田尚子/訳 みすず書房 メイ・サートン60代前半、心機一転で移転した 家でのペットらと自然の描写が美しい日記。

変愛小説集

岸本佐知子/編・訳 講談社 <収録作品> 『五月』アリ・スミス/著 『僕らが天王星に着くころ』『セーター』レイ・ヴクサヴィッチ/著 『まる呑み』ジュリア・スラヴィン/著 『最後の夜』ジェームズ・ソルター/著 『お母さん攻略法』イアン・フレイジャー/著 …

音楽嗜好症(ミュージコフィリア)―脳神経科医と音楽に憑かれた人々

オリヴァー・サックス/著 大田直子/訳 早川書房 副題長いのばかり続いて読了。 ノンフィクション系ってタイトルで説明してるな。 患者の話だけでなく、サックス自身の体験話もあり。 脳も不思議だけど、音楽も不思議。

暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで

サイモン・シン/著 青木薫/訳 新潮社 世界の暗号の歴史。 暗号自体は理解が困難な部分があって難しかったが 歴史背景は本当にワクワクする。やっぱりエニグマは魅力的だ。

アンドロイドの夢の羊

ジョン・スコルジー/著 内田昌之/訳 ハヤカワ文庫SF タイトルだと、ディックのパロディ小説ぽいが 中身は全く異なった。ややドタバタしているが しつこくないし展開は早いので面白く読めた。

レッドスーツ

ジョン・スコルジー/著 内田昌之/訳 早川書房 スタトレ小ネタ全くわからないけど ユーモアSFでかつホロリとさせるオチで純粋に楽しい。

ヒトラーの女スパイ

マルタ・シャート/著 上田浩二、菅谷亜紀/訳 小学館 シュテファニー・フォン・ホーエンローエは 日本ではよく知られていないが、西洋では結構有名人らしい。 ユダヤ人だけど貴族でプリンセスと呼ばれ、 社交界での膨大な人脈を誇ってヒトラーとも直々に関わ…

時間はだれも待ってくれない 21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集

高野史緒/編 東京創元社 <収録作品> 『ハーベムス・パーパム』ヘルムート・W.モンマース/著 識名章喜/訳 『私と犬』オナ・フランツ/著 住谷春也/訳 『女性成功者』ロクサーナ・ブルンチェア/ヌ著 住谷春也/訳 『ブリャハ』アンドレイ・フェダレンカ/著 越…

いちばんここに似合う人

ミランダ・ジュライ/著 岸本佐知子/訳 新潮社 <収録作品> 『共同パティオ』『水泳チーム』『マジェスティ』 『階段の男』『妹』『その人』『ロマンスだった』 『何も必要としない何か』『わたしはドアにキスをする』『ラム・キエンの男の子』 『2003年のメ…

パニックの手―ジョナサン・キャロル短編集1

ジョナサン・キャロル/著 浅羽莢子/訳 東京創元社 <収録作品> 『フィドルヘッド氏』『おやおや町』『秋物コレクション』 『友の最良の人間』『細部の悲しさ』『手を振る時を』 『ジェーン・フォンダの部屋』『君を過ぎて十五分』『ぼくのズーンデル』 『去…