エンジェル エンジェル エンジェル

梨木香歩 新潮文庫

梨木作品でよくある組み合わせのおばあちゃんと少女の話だし、

タイトルが愛らしいのでほのぼのかなあと思ったら、全然そんなことなかった。

少女は、進学校に通う高校生(中学生?)で、人前でいい子でいることに

ストレスを感じている。

おばあちゃんは、少女の祖母で痴呆症でほぼ寝たきり。

少女が語り手のものがメインで、ときどき女学生時代のおばあちゃんの

語り手が混じっているのが、

少女の前だけで、子供返りしたような態度をとるのだが、

熱帯魚の変化に伴いおばあちゃんがかわいいのにホラー的な感じになっていくのだ。

比喩的シーンが多いが完結してみると、全てがわかる仕組みになっているので

(はめ絵っぽくて)わかりやすい。