読書の記録_国内作家な行

小さいおうち

中島京子/著 文藝春秋 直木賞受賞作品。山田洋次によって映画化されるらしい。 『女中譚』よりも穏やかな内容だなあと思ったが、 ラストに少し衝撃なエピソードが。

女中譚

中島京子/著 朝日新聞出版 秋葉原のメイド喫茶に通う老女の問わず語り。 何となくほのぼのしたものを想像していたら、 黒い話だったので驚き。 所謂、大正時代にモガと呼ばれた 不良少女のその後の姿てこんな感じになのだろうか。

ピスタチオ

梨木香歩/著 筑摩書房 前半の愛犬の病と手術の話が延々と続き、 後半はアフリカが舞台の物語でまとめてある。 アフリカの呪術にもっていくとは思いもしなかったが 梨木さんに求める方向はなんか違うのであった。

怖い絵 3

中野京子/著 朝日出版社 いきなり3作目かつ完結巻から読んでみたり。 中野京子は、絵とその歴史背景についての着眼点がうまいなあ。 絵の知識だけではなく、あのキュリー夫人が元カヴァネスだったとか ダ・ヴィンチは明治時代の日本ではマイナーだったとか …

苦役列車

西村賢太/著 新潮社 <収録作品> 『苦役列車』『落ちぶれて袖に涙のふりかかる』 表題は前回の芥川賞受賞作。 私小説ものだけど、大半の人は不快に感じそうな話。 ここで書かれている時代がバブルの頃だとは 作者の年齢を見ないと到底気づかないだろうなあ。…

ズッコケ中年三人組age45

那須正幹/著 ポプラ社 しばらく中年版は読んでなかったのだけど 最新刊の46を読むためにこっちを読む。 『ズッコケ山賊修行中』の続編といった感じだけど 突っ込みどころ満載だよ、那須先生!! 以下、ネタバレ含む内容

猫鳴り

沼田まほかる/著 双葉社 初出が『小説推理』だし、なんか不穏な書き出しだったりするので 途中で恐ろしい話になっていくかと思ったら そんなことにならずに終ったのでひょうし抜け。 猫の生涯の話で普通小説と読めば良い話なんだけど。

空の境界 (上)(下)

奈須きのこ 講談社ノベルス このお話はファンタジーだと 最初の数ページで思わないと話の全体像が受け入れづらかった。 本当は伝奇小説の系統なんだけどねとはわかるんだけど。 主要登場人物は皆美形で天才系でっていうのは 大人になってから読むとキツいも…

危険な世界史

中野京子/著 角川書店 絵画を使って歴史の裏側を紹介するアイディアは よいのだけど、内容が物足りなすぎ。

残酷な王と悲しみの王妃

中野京子/著 集英社 なんというか、似たような名前ばかりで 家系図と肖像画を見ながらでないとわかり難い。

九月が永遠に続けば

沼田まほかる/著 新潮社 デビュー作。ホラーサスペンス大賞受賞作。 ホラーの系統としてはサイコ系なのこれ? 精神的に気持ち悪い描写が結構あるので要注意。 実際の猟奇事件を参考にしてそうな箇所が所々。 最初から最後まで気味悪い話であった。 外見が胡…

八甲田山死の彷徨

新田次郎/著 新潮社 文庫版も出てます。 実際の事件を元にした小説。映画化もされている。 この寒い頃に読むと、作中の吹雪の寒さがリアルに感じられた。 無謀な計画と上層部指示の乱れでほぼ小隊全滅って恐ろしすぎ。 これは別の事項でも当てはめることがで…

アミダサマ

沼田まほかる/著 新潮社 とても淀んだ雰囲気なホラー本。 話が雲をつかむような所があって、 読了後にモヤモヤさせられる。

彼女がその名を知らない鳥たち

沼田まほかる/著 幻冬舎 読了後、気が落ち込む本。 主人公をはじめ、皆狂っている感じ。 実際狂ってるんだけど。 部屋の汚らしさと主人公らのだらしなさがリンクしてる。 だけど上手いんだよなあ。

f植物園の巣穴

梨木香歩/著 朝日新聞社 戦前日本の世界であるが 現実と非現実世界が混じり合っている感じ。 泉鏡花や『百鬼夜行抄』等と雰囲気が似ている。

ヒューマンエラーを防ぐ ミスはなくなるか

中田亨/著 化学同人 仕事本。仕事本は一行ずつ読むので時間かかる。 ヒューマンエラーは決してなくならないだろうが、 少しでもミスを減らす事例や例題が本書で出ているので 実際の仕事へ応用するためのヒントになりそう。 ただし、理論的な内容が多めなので…

ルーズベルトの刺客

西木正明/著 新潮文庫 太平洋戦争前夜の<魔都>上海を舞台に巡る ルーズベルト暗殺計画への陰謀。 満州の一部にユダヤ人国家建設という案があったらしいのが驚きだ。 ルーズベルト暗殺計画に関わる人物らと関わっていながらも、 戦争とほとんど無縁で過ごし…

春になったら苺を摘みに

梨木香歩/著 新潮社 エッセイ集。 文庫版も出ている。 海外生活にて著者が感じたこと、学んだことについて すんなり心に染み渡る感じで読める。 彼女の師であるウェスト夫人が大変魅力的だ。

ナンシー関 リターンズ

ナンシー関/著 世界文化社 もっと最近な気がしていたが、 亡くなったのって2002年だったんだなあ。 過去の雑誌掲載のものをまとめた本。 のっけから嘘自伝ですか。 著作は嫌いでないけどそれほどのめり込めないのは、 文体のせいなのかと本書を読了して薄々…

沼地のある森を抜けて

梨木香歩/著 新潮社 糠床から生物が誕生する秘密は 曾祖父母の故郷の島にあった……? と、糠床が一種の異世界の入り口に なっているという所が和風ぽい? 明らかに異世界側の物語が挿入されている その内容は少し解りづらい。 ファンタジーは理屈が必要ないの…

続 明暗

水村美苗/著 筑摩書房 漱石の絶筆作品『明暗』を完結させた作品。 文章はかなり漱石っぽく旧かな文体で上手。 水村美苗の処女小説作品であるが、漱石作品の 世界を壊さずに綺麗にまとめてある。 以下内容にかなり触れます。

明暗 夏目漱石全集(9)

夏目漱石/著 ちくま文庫 漱石遺作。途中で中断されていて結末が不明のまま。 ・主人公が痔の手術で入院 ・退院後温泉療養の旅へ行き昔の恋人に会う というのは記憶にあったが他は綺麗に忘れていた。 とにかくも心理描写が漱石作品の中で最も細かく、 皆本音…

謎解き少年少女世界の名作

長山靖生/著 新潮社新書 子供の頃には必ず触れる海外の名作児童文学の 評論本。結構時代背景に反映された話が多いんだな というのがこの本を読むとよく理解できる。 もっとページが欲しいくらいだ。 新書って入門書的なので手軽だけど薄すぎ。

グリム童話より怖い日本おとぎ話

中見利男/著 日本文芸社 一時期流行してい本当は怖い昔話の日本昔話バージョン。 『お伽草紙』に入っている話をメインに、 残酷度もそうだけど、 性的解釈を拡大した内容が本書の特徴。

獄中からの手紙

永田洋子/著 彩流社 『レッド』の赤城容子のモデル。 参考書として読了。 10/11の三浦和義自殺騒ぎに隠れてしまっていたが、 永田洋子が危篤というニュースが出ていた。 10/13現在続報はでていないぽい。 彼女の死刑判決出てからの生活などが中心。 この本で…

野上弥生子 新潮文庫 著者の女学校時代を書いた自伝小説。 途中で、著者は亡くなっているので未完だが、 ほぼ完成されているので話の結末は想像しやすい。 それにしても100歳近くまで書き続けていたというのが凄い。 宇野千代もそうだったね。 自伝小説とは…

裏庭

梨木香歩 新潮文庫 少女と庭というのは良く似合う。 バーンズ家で「裏庭」と呼ばれている異世界へ少女が 入り込み、異世界の崩壊を救う話、 とファンタジーものである。 本来ファンタジー苦手な読み手としては 異世界ものは特に苦手とする内容だったりする。…

歴史をさわがせた女たち 庶民篇

永井路子 文春文庫 ユーモアたっぷりの日本の女性史。 1975年初出…… 今だと割と知られていることが多いのだが、 当時だと斬新な内容だっただろうな。 特に中世史あたり。

歴史をさわがせた女たち 日本篇

永井路子 文春文庫 評伝ものって楽しいな。 女性による歴史上有名女性のエピソード集。 とにかもく遠慮のなさぶりがいい。

日本残酷物語(3) 鎖国の悲劇

宮本常一ほか/監修 平凡社ライブラリー 海外へ売られた売られた人々、海難事故で漂流した人々だけでなく、 さまざまや差別(宗教、地域、身分制度そのもの)や 一揆・譲位運動等、 ついて主に江戸時代を中心に書かれている。 ただし解説にもあるけれど、部落…