読書の記録_国外作家た行

わたしのサウンド・オブ・ミュージック

アガーテ・フォントラップ/著 谷口由美子/訳 東洋書林 現在も人気が続く 映画や舞台『サウンド・オブ・ミュージック』の モデルとなったトラップ家の長女による回想録。 映画等では、トラップ家にやってきた 2番目の母マリアが主役だが、そこでは見えてこない…

未来医師

フィリップ・K・ディック/著 佐藤龍雄/訳 創元SF文庫 ディックだと思わなければ 割と正統派的タイムとラベルもので読みやすかった。 文庫あらすじは本筋とはほぼ関わらない内容。

黄昏に眠る秋

ヨハン・テオリン/著 三角和代/訳 早川書房 スウェーデンミステリ。 20年前に失踪した息子のサンダルが出てきたことを きっかけに事件の真相を探り出そうとする女性とその父親。 島の描写などが良いのだが、進行はゆっくりしているのと 女性の態度がイラつく…

神は妄想である―宗教との決別

リチャード・ドーキンス/著 垂水雄二/訳 早川書房 なんとも過激なタイトルだけど、内容はそんなに過激な内容ではない。 欧米では有名な無神論者でありダーウィン主義者。 あちらの方なので、一神教に関しての批判がメインで、 多神教関係には触れられていな…

女と独裁者―愛欲と権力の世界史

ディアンヌ・デュクレ/著 神田順子/訳 柏書房 ヒットラー、ムッソリーニ、レーニン、スターリン、毛沢東、チャウシェスク…… と独裁者たちの周囲にいた愛人・妻のエピソード本。 彼女たちは影の存在なのだが、時代を経るにつれて 江青やエレナ・チャウシェス…

死せる少女たちの家

スティーヴン・ドビンズ/著 高津幸枝/訳 ニューヨーク州にある小さい町(というか人数的には村感覚なんだが)で、 少女が連続して行方不明になるという事件がおきる。 犯人のサイコパスぶりよりも、 町の人たちが疑心暗鬼になって 魔女狩り展開になるところ…

あなたに不利な証拠として

ローリー・リン・ドラモンド/著 駒月雅子/訳 早川書房 <収録作品> 『完全』『味、感触、視覚、音、匂い』『キャサリンへの挽歌』 『告白』『場所』『制圧』 『銃の掃除』『傷痕』『生きている死者』 『わたしがいた場所』 女性警官(制服組)の様々な生き…

死刑囚 最後の晩餐

タイ・トレッドウェル、ミッシェル・バーノン/著 宇佐和通/訳 筑摩書房 アメリカでは死刑当日に、 死刑囚が希望したものが食べられるということで、それを淡々とまとめたもの。 著作内は食べ物がイラストであるが、 こういったまとめサイトでは写真であった…

シェル・コレクター

アンソニー・ドーア/著 岩本正恵/訳 新潮社 <収録作品> 『貝を集める人』『ハンターの妻』『たくさんのチャンス』 『長いあいだ、これはグリセルダの物語だった』『七月四日』 『世話係』『もつれた糸』『ムコンド 』 『ハンターの妻』はOヘンリー賞受賞作…

地下室の手記

ドストエフスキー/著 江川卓/訳 新潮文庫 19世紀なのに主人公が引き蘢り無職ていう 設定はすごいなあ。話自体はその主人公の 若い頃の過ち的なことの回想話だが。

ベータ2のバラッド

サミュエル・R.ディレイニー/他著 若島正/編訳 国書刊行会 <収録作品> 『べータ2のバラッド』サミュエル・R.ディレイニー/著 小野田和子/訳 『四色問題』バリントン・J.ベイリー/著 小野田和子/訳 『降誕祭前夜』キース・ロバーツ/著 板倉厳一郎/訳 『プリ…

歌の翼に

トマス・M・ディッシュ/著 友枝康子/訳 国書刊行会 食料や住居が不足した近未来のアメリカで、 歌によって文字通り「飛翔」することを夢を見る少年の物語。 ディッシュの半自伝でもあるのだが、 少年の成長物語でもあり、音楽およびその他教養小説でもあり、…

プリズマティカ

サミュエル・R・デュレイニー/著 浅倉久志/他訳 早川書房 <収録作品> 『疑いと夢について』 『プリズマティカ』ジョン・ピーラード/画 『コロナ』ジョン・コリアー/画 『エンパイア スター』ジョン・ジュード・パレンカー/画 『時は準宝石の螺旋のように』…

M・D (上)(下)

トマス・M・ディッシュ/著 松本剛史/訳 文春文庫 魔法の杖を手にした少年の物語 と書くとファンタジーなんだけど、 杖を渡したのマーキュリーというのがどうみても悪魔。 なので、魔法をかけられた人々が大変な事に。 悪夢的ホラー世界が当たり前のように進…

シビュラの目

フィリップ・K・ディック/著 浅倉久志・他/訳 ハヤカワSF文庫 <収録作品> 『待機員』『ラグランド・パークをどうする?』 『宇宙の死者』『聖なる争い』『カンタータ百四十番』 『シビュラの目』 ラストの『シビュラの目』は『ヴァリス』の元。こっちの方…

ヴァリス

フィリップ・K・ディック/著 大瀧啓裕/訳 サンリオSF文庫 ディックの集大成なのか? ドラッグトリップ世界が凄すぎで、 一応読了したが展開が実は良くわからなかったり。

星をつけた子供たち―ナチ支配下のユダヤの子供たち

デボラ・ドワーク/著 芝健介/監修 甲斐明子/訳 創元社 ユダヤ人の子どもたちのホロコーストを体験をまとめたもの。 10代後半以上の体験談は記録されてるが 赤ん坊から10代前半のかつて子どもについては珍しい。 異様な子ども史となっている。

銃・病原菌・鉄(上)(下)

ジャレド・ダイアモンド/著 倉骨彰/訳 草思社 大変興味ある世界文明史であった。 知的好奇心を刺激する内容。 でも後半は集中して読めなかった……。

死の迷宮

フィリップ・K・ディック/著 サンリオSF文庫 いろんな宗教をぶち込みLSDでミックスで 造り上げた世界。 わーヤク中の脳内構造ってこうなっているんだなー という思いもあるが、ディックは上手く作品に反映させてる。 話のオチはSF映画や漫画で一時期よくあっ…

善と悪

ロジャー・L・デピュー、スーザン・シンデーエット/著 東本貢司/訳 PHP研究所 「犯罪心理分析(プロファイリング)の父、その凄絶なる冒険」 の副題どおり、FBI心理分析の礎を作った一人である ロジャー・L・デピューの自伝。 日本でも有名なプロファイラー…

ジェイン・オースティン伝

クレア・トマリン/著 矢倉尚子著 白水社 伝記として良作。 少し謎に包まれている部分もあるが、 ジェイン・オースティンの生涯と 周囲の家族の生涯が描かれていて面白い。 特に彼女が生涯を過ごした時代の背景もよく書かれているので 歴史風俗本としても読め…

死者を侮るなかれ

ボストン・テラン/著 田口俊樹/訳 文春文庫 アメリカの暗黒部分をこれでもかと見せしめる ボストン・テラン第2作目。 キャラクターで魅せようとしているのか ちょっと後半が甘ったるいかなと思った。

神は銃弾

ボストン・テラン/著 田口俊樹/訳 文春文庫 2000年度CWA新人賞受賞作で、このミス2001年海外編第1位。 ストーリーは単純。カルト教団に誘拐された娘を救出する話。 しかし爽快さがないのはノワールらしい。 文体が、現在形混在なのが読み難いが そういう所…

ともしび・谷間 他七篇

チェーホフ/著 松下裕/訳 岩波文庫 <収録作品> 『美女』『ともしび』『気まぐれな女』 『箱に入った男』『すぐり』『恋について』 『谷間』『僧正』『いいなずけ』 チェーホフ晩年の作品が中心に収録。 19世紀後半のロシアの女性たち、縛られた人生の女性…

ペスト

ダニエル・デフォー/著 平井正穂/訳 中公文庫 『ロビンソン・クルーソー』の作者による 1662年に起こった悪疫(ペスト)騒ぎについての回想話。 ペストに罹った人々がどういう運命を辿るかや 死亡数について等、感情的にならず淡々と書いているところが 却っ…

六号病棟・退屈な話(他5篇)

チェーホフ/著 松下裕/訳 岩波文庫 <収録作品> 『脱走者』『チフス』『アニュータ』 『敵』『黒衣の僧』『六号病棟』 『退屈な話』 医者が主役級役割をもつ話ばかりを収録した短篇集。 『六号病棟』が文庫で読めるのが嬉しい。 『退屈は話』など老成してる…

ムンクを追え!

エドワード・ドルニック/著 河野純治/訳 光文社 サブタイトルが長かったので下記に記載。 「『叫び』奪還に賭けたロンドン警視庁美術捜査班の100日」 エドヴァルド・ムンクの作品で最も有名な「叫び」は 今まで1994年と2004年に盗み出されている。 本作は199…

レベッカ (上)(下)

デュ・モーリア/著 茅野美ど里/訳 新潮文庫 再読本である(といっても10年くらいぶり?)だけど、 一旦読むと続きが気になって仕方ないくらい、 相変わらずとても面白かったなあ。 「わたし」にとってすでに亡くなっている存在なのに、 マンダレーで常に脅威…

いさましいちびのトースター

トーマス・M・ディッシュ/著 浅倉久志/訳 ハヤカワSF文庫 森の中にある夏別荘に 二年半以上もご主人様がやってこない。 とうとうちびのトースターはじめ、 電気毛布、掃除機、卓上スタンド、ラジオら 電化製品仲間が終結し、ご主人様の都会の家へと 旅立つの…

ペイチェック

フィリップ・K・ディック/著 浅倉久志・他/訳 ハヤカワSF文庫 <収録作品> 『ペイチェック』『ナニー』『ジョンの世界』 『たそがれの朝食』『小さな町』『父さんもどき』 『傍観者』『自動工場』『パーキー・パットの日々』 『待機員』『時間飛行士へのさ…