読書の記録_国外作家た行

流れよわが涙、と警官は言った

フィリップ・K・ディック/著 友枝康子/訳 ハヤカワSF文庫 キャンベル記念賞受賞作。 タイトルカッコいいなー。 歌手のジェイムズ・タヴァナーが 思わぬ事故の直後で目を覚ますと 自分についての記録が全て抹消されていた…… というスリリングな展開で幕をあけ…

鳥 デュ・モーリア傑作集

ダフネ・デュ・モーリア/著 務台夏子/訳 創元推理文庫 <収録作品> 『恋人』『鳥』『写真家』 『モンテ・ヴェリタ』『林檎の木』『番』 『裂けた時間』『動機』 表題作にもなっている『鳥』は ヒッチコック映画の原作。といっても映画は 原案的なアイディア…

老いたる霊長類の星への賛歌

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア/著 伊藤典夫、友枝康子/訳 ハヤカワSF文庫 <収録作品> 『汝が半数染色体の心』『エトセトラ、エトセトラ』 『煙は永遠にたちのぼって』『一瞬のいのちの味わい』 『ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?』 『ネズ…

たったひとつの冴えたやりかた

ジェイムズ・ティプリトリー・ジュニア/著 浅倉久志/訳 ハヤカワSF文庫 もやや古典扱い的な名作SF。でも初読。 作者の名前もろくの見ずに読んでいたから、 実は作者は女性なんだよ、というのはびっくりしなかった。 どこかで作者の生涯について何かで読んだ…

どんがらがん

アヴラム・デイヴィッドスン/著 殊能将之/編 浅倉久志、伊藤典夫、中村融、深町眞理子、若島正/訳 河出書房新社 <収録作品> 『ゴーレム』『物は証言できない』『さあ、みんなで眠ろう』 『さもなくば海は牡蠣でいっぱいに』 『ラホール駐屯地での出来事』 …

アジアの岸辺

トマス・M・ディッシュ/著 若島正/編 若島正・浅倉久志・伊藤典夫・大久保寛・林雅代・渡辺佐智江/訳 国書刊行会 <収録作品> 『降りる』『争いのホネ』『リスの檻』 『リンダとダニエルとスパイク』『カサブランカ』『アジアの岸辺』 『国旗掲揚』『死神と…

ワイルド・スワン 上・中・下

ユン・チアン/著 土屋京子/訳 講談社文庫 単行本は1993年に出版されてベストセラーになっていました。 これを読むと自分にとって中国のイメージがどうなるかが 興味あったのですが、今まで読む機会もなく なんだか微妙なこの時期に文庫版で読了。

暗闇のスキャナー

フィリップ・K・ディック/著 飯田隆昭/訳 サンリオSF文庫 スキャナーという装置で人を監視するというのとか、 若干世界背景がSFぽいけど、それ以外はSFぽくない? ここで書かれている事は、麻薬が蔓延して それを捜査する秘密捜査官までが麻薬中毒者となって…

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

フィリップ・K・ディック/著 浅倉久志/訳 ハヤカワSF文庫 タイトルは知っていたけど初読了。 これの映画版『ブレードランナー』も観た事ないので、 先入観なしで読めたかな。 人を殺害して逃亡した、人間そっくりのアンドロイドを追う 賞金稼ぎ(バウンティ…

カラマーゾフの兄弟 上・中・下

ドストエフスキー/著 原卓也/訳 新潮文庫 文句なしに傑作本。 新潮文庫はいつのまにやら、表紙装丁や中のフォントサイズ(形状が少し変)が変更になってる。 文字が大きくなっているので読みやすいかな。 その分、分厚さが増えている気もするが。 ちなみに上…

二都物語

(上)(下) ディケンズ/著 中野好夫/訳 新潮文庫 今さら初読了の有名本だ。 フランス革命の時代のロンドンとパリが舞台。 ダーニーとカートンが赤の他人なのにうり二つという 設定から、何が彼らの身にあったか予測が途中でできたりするが、 そんなベタな…

私は生まれる見知らぬ土地で

エィミ・タン/著 小沢瑞穂/訳 角川文庫 結構評価高いみたいだけれど、個人的には普通。 アメリカ生まれ育ちの中国系アメリカ人(主人公)と、 中国から移民してきた主人公の姉との違いは面白いけど、 途中からファンタジー(前世がどうたら系)になって驚き…

三銃士

(上)(下) アレクサンドル・デュマ/著 竹村猛/訳 角川文庫 名作だな! ご存知ダルタニャン+三銃士の冒険物語。 日本だとタイトルになっている三銃士の印象が強いのだけど、 実際には一番若いダルタニャンが、賢くというか要領よいです。 あと、覚え書きと…

楽しみは創り出せるものよ ターシャ・チューダーの言葉2

ターシャ・チューダー/文 リチャード・W・ブラウン/写真 食野雅子/訳 メディアファクトリー ターシャ・チューダーは、ケイト・グリーナウェイ系の絵を描く人で、 21世紀の現在、18世紀様式の生活を実践している、 というただ者ではないおばあさんの言葉と…

風にのってきたメアリー・ポピンズ

P.L.トラヴァース/著 林容吉/訳 岩波少年文庫 映画のせいか、口で言うと「メリー・ポピンズ」ってなるよね。 久しぶりに読んだけど、彼女がナルシストだったのには 前は気づかなかったよ。

アンナ・カレーニナ

(上)(下) トルストイ/著 木村浩/訳 新潮文庫 未読の名作を読んでみようシリーズ? 率直な愛で、家庭を捨てて(でも離婚せずに) 愛人と暮らすアンナの生涯。 アンナとヴロンスキーというカップルと対比させて、 純愛夫婦なリョービンとキチイが出て来…