読書の記録_国外作家か行

1984年に生まれて

郝景芳/著 櫻庭ゆみ子/訳 中央公論新社 1984年生まれの彼女の人生と オーウェルの『1984』が重なり合うシーンがSF的。 自伝小説ではなく、自伝「体」小説という構造が深い。

狼の帝国

ジャン=クリストフ・グランジェ/著 高岡真/訳 創元推理文庫 他の作品もだが、表紙のとおり本作もジャン・レノで映像化。 テロリストがトルコ人グループというのが珍しい。 他の人たちは置いといて、 事件に関わらず得なかった青年刑事が気の毒だった。

通過者

ジャン=クリストフ・グランジェ/著 吉田恒雄/訳 TAC出版 700ページもあるが 展開がとにかく早くて本当にジェットスター状態。 追われるものの逃げっぷりや身分詐称が 無理ありそうだけど一応回収はされている。 でも真犯人とラストが唐突すぎて呆然とさせら…

ゴールドスティン (上)(下)

フォルカー・クッチャー/著 酒寄進一/訳 創元推理文庫 1931年のベルリンを舞台にした警察小説。 ナチスが台頭しつつある景気がどん底な ドイツの重苦しい雰囲気を背景に話が進んでいく。 シリーズ3作目だが途中でも問題なし。

メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち

シオドラ・ゴス/著 鈴木潤/他訳 創元推理文庫 ヴィクトリア朝のロンドンが舞台で ジキル博士、ハイド、ドクター・モロー、 フランケンシュタイン、ラパチーニの娘たちが出てくると なんともワクワクする設定である。 それにシャーロック・ホームズが添え物で…

ブラック・ハンター

ジャン=クリストフ・グランジェ/著 平岡敦/訳 早川書房 『クリムゾン・リバー』のまさかの続編。 ちょっと冒頭で前作の犯人ネタバレあり。 新たな相棒を得てニエマンス警視が ドイツへ行っても暴走的捜査を行う。

キャサリン・カーの終わりなき旅

トマス・H・クック/著 駒月雅子/訳 早川書房 自分の子どもを誘拐殺害されて 数年たっても心に傷を負っている主人公が 仕事関連である日失踪したままの詩人 キャサリン・カーの原稿を手に入れる。 キャサリン・カーの謎を主人公と余命わずかな少女アリスで 突…

死者の国

ジャン=クリストフ・グランジェ/著 高野優、伊禮規与美/訳 早川書房 フレンチミステリは癖が強いが 本編ももれなくそうであった。 猟奇殺人事件を追う パリ警視庁のステファン・コルソ警視の スタンドプレーがイラつくが、 他の登場人物たちも異様すぎであち…

六人目の少女

ドナート・カッリージ/著 清水由貴子/訳 早川書房 イタリア人作家の作品だが 無国籍風な設定なためかどこの国の話なのか 戸惑いを感じた。 サイコサスペンスで出てくる 人に暗示をかけて殺人をされるのを 本編でも使用しているがあまりにも計画的すぎる。 最…

トンネル

ベルンハルト・ケラーマン/著 秦豊吉/訳 国書刊行会 1913年刊行のドイツSF小説。 SFというより近未来小説といったところか。 アメリカとヨーロッパを繋ぐ大トンネルをつくる 大事業話で、登場人物のほとんどがアメリカ人。 翻訳が伏せ字あったり原作当時とマ…

パンドラの少女〈上〉〈下〉

M・R・ケアリー/著 茂木健/訳 創元推理文庫 世界が崩壊しつつある未来の イギリスが舞台のゾンビもの。 主要登場人物が少なく、パニック状態の人も ほぼいないので読みやすかった。 ラストは絶望的だけど希望もある感じ。

砂男 (上)(下)

ラーシュ・ケプレル/著 鍋倉僚介、瑞木さやこ訳 扶桑社文庫 北欧のシリアスキラーって凶暴すぎる。 胸糞悪いエピソードが連続であったが 唯一誘拐された子どもらが助かったのが救い。

彼女たちの部屋

レティシア・コロンバニ/著 齋藤可津子/訳 早川書房 実在する女性保護施設を舞台に 現代と過去の話が交互に語られる。 フランスの女性問題で 若い女性がドロップアウトしてホームレスになる というエピソードがショッキングだった。

ミステリアス・ショーケース

デイヴィッド ゴードン/他著 早川書房編集部/編 早川書房 <収録作品> 『ぼくがしようとしてきたこと』デイヴィッド・ゴードン 『クイーンズのヴァンパイア』デイヴィッド・ゴードン 『この場所と黄海のあいだ』ニック・ピゾラット 『彼の両手がずっと待っ…

用心棒

デイヴィッド・ゴードン/著 青木千鶴/訳 早川書房 ジャンルとしては、ピカレスク小説なのかな。 アクションシーンが派手で小気味よい。

二流小説家

デイヴィッド・ゴードン/著 青木千鶴/訳 早川書房 二流小説ばかり執筆している冴えない男性が、 凶悪な死刑囚から回想録執筆を依頼されることを きっかけにグロテスクな殺人事件に巻き込まれる。 展開がかなりスピーディで事件の真相など結構驚かされる。 ま…

コップクラフト2

賀東招二/著 ガガガ文庫 この作品の舞台の説明、毎回やるのが お約束なのが2巻目でわかる。 文章だとくどい気がして飛ばしてしまう。 ケイとティラナのバディ度が徐々に馴染んできた感じ。

ヨーゼフ・メンゲレの逃亡

オリヴィエ・ゲーズ/著 高橋啓/訳 東京創元社 ほぼ戦後のメンゲレ南米逃亡生活を ノンフィクションではなく小説形式で書かれている。 親族から資金援助されているが、 悠々自適では全くない生活を後半過ごすことに。 「悪」ってなんだろうかと考えさせられる…

パールとスターシャ

アフィニティ・コナー/著 野口百合子/訳 東京創元社 アウシュビッツ収容所でメンゲレといえば 双子生体実験。 ユダヤ人の双子、パールとスターシャが受けた 過酷な体験を二人の視点で描かれる。 リアルさというよりはファンタジーな雰囲気もあり。 フィクシ…

殺したのは私

メアリ・H・クラーク/著 深町真理子、安原和見/訳 新潮文庫 サスペンスミステリ。 途中、この登場人物死ぬとか悪巧みしそうとか 先は読める展開だったりツッコミどころはあるが 意外にも結末は綺麗にまとまっていた。

サーカス象に水を

サラ・グルーエン/著 川副智子/訳 武田ランダムハウスジャパン 20世紀初頭のサーカスのワクワク感と 従業員に対しての過酷な生活がごっちゃに。 列車移動サーカスはロマンがある。

テイクン (上)(下)

トマス・H.クック/著 富永和子/訳 竹書房文庫 スピルバーグ総監督のSFドラマのノベライズ版。 クックだから期待していたが、 脚本を書籍にしましたという内容でクックらしさが あまりなくて残念。

ありふれた祈り

ウィリアム・ケント・クルーガー/著 宇佐川晶子/訳 早川書房 『スタンド・バイ・ミー』を連想させられるが こちらは1961年夏を回想した物語。 知人の少年の死から物語が始まるが やがて自身の家庭を揺るがす事件が起こる。 ミステリではあるが家族の物語とし…

エドガルド・モルターラ誘拐事件

デヴィッド・I・カーツァー/著 漆原敦子/訳 早川書房 まず、死亡しそうな異教徒に、一般のカトリック教徒が 即席で洗礼させることができるのが乱暴だなと思った。 それも自分で判断できない赤ん坊に対してかつ その家族に隠れてというあたりが。 19世紀半ば…

クリムゾン・リバー

ジャン‐クリストフ・グランジェ/著 平岡敦/訳 創元推理文庫 映画化されているそうだが、 死体描写以外かなりグロテスク描写多数だが 大丈夫だったのだろうか。 意外にも短期間で事件解決へ向かう。

IT 全4巻

スティーヴン・キング/著 文春文庫 1990年代に読んで以来。 改めて読むと、1980年代キング作品の集大成だった。 いろいろな作品要素がてんこ盛り。 今読むと、アウトな部分もところどころだが 時代的にはありだと思う。

ブラック・ハウス (上)(下)

スティーヴン・キング、ピーター・ストラウブ/著 矢野浩三郎/訳 新潮文庫 アルバート・フィッシュを模した子どもたちの連続誘拐事件が まさかの異世界ファンタジーになるのに驚きだが あまり内容は合わないかな。 キングの他のファンタジー作品とリンクして…

星からきた探偵

ハル・クレメント/著 内田庶/訳 岩崎書店 『20億の針』(映画『ヒドゥン』の原案でもある)を 子供版に直して翻訳されたもの。 ↑が図書館になかったので。 最初の犯罪者を追って来た宇宙人が 地球で人間に取り付き協力して犯人を追うという部分が 『ウルトラ…

ミルク殺人と憂鬱な夏──中年警部クルフティンガー

フォルカー・クルプフル、ミハイル・コブル/著 岡本朋子/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 ドイツではドラマ化もされた作品。 田舎の警察もので ドイツ系ユーモアやジョーク? が結構あり。

駄作

ジェシー・ケラーマン/著 林香織/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 ミステリ作家もどんどん二世作家が出てきている。 盗作から始まる本ミステリかと思ったら 途中からスパイスリラーになって驚き。