読書の記録_国内作家や行

ラピスラズリ

山尾悠子/著 ちくま文庫 基本ハードカバーばかりなので文庫で読めるのは貴重。 「冬眠者」の物語。作中作風な中篇を挟んだ連作短篇であるが 終わりまで読むと本当に不思議な体験をしたかのような錯覚にとらわれた。

ダブル・ジョーカー

柳広司/著 角川書店 <収録作品> 『ダブル・ジョーカー』『蝿の王』『仏印作戦』 『柩』『ブラックバード』 中二病ぽい設定がなんだか楽しくなってきた。 一応史実どおりの流れで進んでいるらしく 最終話で太平洋戦争開始となった。

ジョーカー・ゲーム

柳広司/著 角川書店 スパイが主題の連作短篇集。 なんか、出てくる登場人物が中二病ぽいなあ。 でも、第二次世界大戦前夜の時代の不穏さが伝わってるのは良かった。

早稲女、女、男

柚木麻子/著 祥伝社 2012年の締め本。 著者は立教大学出身であるが本作のヒロインは早稲田大学出身である。 ヒロインを中心に、他有名大学の女子大生もしくはOGらが出てくる。 相変わらずすいすい読める漫画的な内容であった。 なお、早稲田出身の人によると…

あまからカルテット

柚木麻子/著 文藝春秋 中学生の頃からの仲良し4人組の恋と友情物語。 各話食べ物がキーワードになって進み、 少女マンガぽい展開だけど子気味よい。

紗央里ちゃんの家

矢部嵩/著 角川ホラー文庫 なに、これ不条理ホラー? 語り手も含め、登場人物がすべてズレている人ばかり。 特に何の解決もなさすぎ。

悪魔の寵児

横溝正史/著 角川文庫 昭和30年代の金田一耕助もの。東京23区内が舞台。 内容は表紙イラストのとおり、江戸川乱歩的エログロミステリだ。 戦後だから規制もなくエロが直接的なのでお子様向けでない。

けむたい後輩

柚木麻子/著 幻冬舎 最初から最後まで、この禁煙時代に煙草の煙がもくもくしまくる 場面が。けむたいのは後輩の真実子でなく栞子じゃないかと 最初では思うのだが、無垢のような存在の真実子が次第に不気味な存在に。 ホラーじゃないのにホラーだぞ。タイト…

嘆きの美女

柚木麻子/著 朝日新聞出版 とても痛快!! 普通、ひきこもりニートでかつ自分が気に食わない サイトやブログを炎上させる趣味をもつ主人公って共感しなさそうだが、 耶居子はただ者ではなかった。耶居子もそうだが美女たちもそれぞれ悩みや コンプレックスがあ…

ヨーロッパぶらりぶらり

山下清/著 ちくま文庫 もう、昔やっていた芦屋雁之助のドラマのイメージが強い 裸の大将こと山下清。 そんな彼が画家として有名になってからのヨーロッパへ旅行記。 予想してたけどかなり自由というか独特な感性で書かれている。 絵は実はあまり好きではない…

カルトの子 ―心を盗まれた家族

米本和弘/著 文藝春秋 文庫版も出ています。 とても考えさせられる本。 カルト教団に親の都合で無理矢理入信させられた 子供の実態についてのルボというよりは、 子供たちが受けている身体的・精神的虐待についての告発本といえるだろう。 当時の出版のタイ…

再婚生活

山本文緒/著 角川書店 夫のことを本当に呼んでいるか知らないけど 「王子」かー。じゃあ「姫」とか呼ばれてるのかな。 といってもタイトルの内容よりも ほとんど鬱病生活の話が大半だった。

悪魔が来りて笛を吹く

横溝正史/著 角川文庫 一族のどろどろさの酷さが高い話だ。 やはり金田一がわざとでないかと疑われるほど鈍すぎないか。

獄門島

横溝正史/著 角川文庫 原作は読んだ事なかったので。 といっても映画のオチは忘れてたりしてたので楽しめた。 本書は改訂版のようだったが、 肝心になるキーワードは変わってなかったので安心した。

「残業ゼロ」の仕事力

吉越浩一郎/著 日本能率協会マネジメントセンター 「早朝会議」「完全ノー残業」「がんばるタイム」など会社全体で実践し、 19期連続の増収増益を達成したトリンプ元社長の著作。 文章もわかりやすく実践方法も具体的で結構共感できた。 自分自身が実践する…

血族

山口瞳/著 文藝春秋 今は文庫版もある。 2011年初読了本。 私小説なのだが、作者自身の出生の謎から 両親特に母の実家の謎を探すということで ルポタージュ風に読める。 出生の謎はそれほど複雑ではない。 しかし、母が死ぬまで必死で隠したことを探し尽くそ…

心臓に毛が生えている理由

米原万里/著 角川学芸出版 この人のエッセイはピリッとした所が良いなあ。 とはいっても、まだそんなに読んでいないので 本書は重複話が多いらしいけど ほとんどが初読だった。

姉妹 -Two Sisters

吉村達也/著 角川ホラー文庫 2004年に公開された韓国映画『箪笥』の小説版。 映画のは、TV放送のを数ヶ月前に初めて観た。 映像がとても綺麗でホラーというかサイコぽい展開だよな。 でもストーリーが所々わからないのばかりだった。 この小説版は映画と異な…

犬神家の一族

横溝正史/著 角川文庫 原作初読了。 映画版は観ているがかなり忘れてるなー。 ビジュアル的に有名なスケキヨ(佐清)の逆さに立ってたの後半だったのね。 しかし、関係者(殺害候補者)がほぼ死亡してから事件解決なのに、 金田一が何故名探偵扱いされるのか…

半落ち

横山秀夫/著 講談社文庫 映画だかドラマ化した時に話題になってたね(観てないけど)。 今更ながらの読了。 映像版は観なくて正解。所謂感動泣きさせる話だもの。 梶がアルツハイマーの妻を殺害してから自首するまでの 空白の二日間についての謎は案外あっけ…

打ちのめされるようなすごい本

米原万里/著 文藝春秋 読書日記と書評集。ロシア語同時通訳者なため ロシア関連の書物が多い。 あと、読書時代的にイラク戦争関係ものも、 300ページ位だと一時間で読めるらしいとの速読の持ち主。 それでいて非常に感情豊か(わかりやすく大げさ?)に 読み…

神狩り

山田正紀/著 ハルキ文庫 デビュー作。 テーマは凄いな。 タイトルどおり「神」に闘いを挑む話だった。 スケール大きすぎるためか、 主人公が神と直接対決するまでに至らなかったのは 少し残念。

昭和前期の青春

山田風太郎/著 筑摩書房 本人の戦前・戦中日記や随筆を読了済みの場合は、 特に目新しい内容ではなし。 てなわけで、純粋なエッセイではない 『同日同刻』の番外編『ドキュメント・一九四五年五月』が 読めるというのが目玉か。

秀吉はいつ知ったか

山田風太郎/著 筑摩書房 「歴史」をテーマにした 未刊行エッセイを収録したもの。 表題については、本能寺の変をなぜ秀吉が 驚異的早さで知ったかを推理したもの。 信長を「火」、秀吉を「風」、家康を「土」でたとえたりとか。

快男児 押川春浪

横田順彌・會津信吾/著 徳間文庫 押川春浪の伝記本。 作品表論的なのはほとんどないので 大半が野球ネタばかりであった。

白と黒

横溝正史/著 角川文庫 後期の金田一耕助もの。 結構分厚いけど読みづらくはないとはいいつつも 内容はダメダメ。 現代だったら発表不可になりそうな箇所がありまくりだしな……。

続獄窓記

山本譲司 ポプラ社 『獄窓記』の続編。 黒羽刑務所を出所から始まり、 『獄窓記』の執筆、出版を経て 福祉および刑務所改革への仕事に携わることになるまで。 出所直後、前科者になったという劣等感から 引きこもり生活に入ったことや 『獄窓記』を書く事で…

吉村昭自選作品集 第11巻

吉村昭 新潮社 <収録作品> 『羆嵐』『ハタハタ』『羆』 『海の鼠』『魚影の群れ』『海馬』 動物と戦う人々たちのドラマを収録。 『羆嵐』これが読みたかったんだー。 大正時代にあった日本最大の熊害事件を小説化したもの。 かなり怖い話であるが、同時に…

累犯障害者

山本譲司/著 新潮社 『獄窓記』の著者が障害者が起こした犯罪事件の 関係者を訪ね歩いたルポノンフィクション。 日本の行政、福祉、マスコミ等でタブーとして 臭い物には蓋といわんばかりに隠された 障害者社会の暗部を書いている。 何も知らずに読んでショ…

獄窓記

山本譲司/著 新潮文庫 ノンフィクション。 2005年にドラマ化されたそうだけど未見。 2000年に秘書給与搾取事件で実刑判決を受けて 刑務所で過ごした元国会議員の著者による話。 名前に見覚えはあって、作中で触れている 辻本清美の事件も記憶にあったけれど …