2006-01-01から1年間の記事一覧

死刑執行人サンソン

安達正勝 集英社新書 タイトルどおり、こちらはフランスの 「ムッシュー・ド・パリ」と呼ばれた、 死刑執行人一族、四代目サンソンの伝記。 何故四代目がクローズアップされているかというと、 副題にあるとおり、フランス革命時に ルイ16世の首を(ギロチン…

浅草博徒一代

佐賀純一 新潮文庫 解説で、ボブ・ディランが この英訳バージョンを元に曲を作った(パクリ疑惑?) で一時期話題になっていたらしい。 そんなの知らなかったが、普通に明治生まれで、 ふとしたことからヤクザの道に入った男の問わず語りを 再現したノンフィ…

冒険者たち ガンバと十五匹の仲間

斎藤惇夫 講談社文庫 な、懐かしい……。 画像は岩波書店版です。講談社文庫版も同じ絵が表紙です。 このアニメ版も少し前に何話か観ていたので つい比較しちゃうけど、同じようで前々別ものと思った方がいい。 どっちも面白いけどさ。副題のとおり、仲間は ア…

大正美人伝

森まゆみ 文春文庫 これまたストレートなタイトルな。 「大正三美人」の一人、林きむ子の生涯を書いた本。 表紙見てのとおり、確かに美人。 「大正三美人」他は、九条武子と柳原百蓮で この二人は小説の題材になったりして現代でも 名前を残しているが、林き…

戦下のレシピ

斎藤美奈子 岩波アクティブ新書 戦時中の婦人雑誌に載っていたレシピが紹介されている。 カラー口絵で当時の再現料理が載ってるがすげえ。 うどんかん(うどんをまんま寒天で固めたもの)が特にまずそう……。 まあ、当時は今みたいに、食事のバリエーションが…

ヒストリエ 1巻~3巻

岩明均 講談社 『寄生獣』も再読したくなった。 アレクサンダー大王の書記官エウメネスの 生涯を描くらしい。3巻まで読んだけど、まだすごい前半ぽい。 エイメネスが知力体力すべてに優れいていて、 ピンチがある度に自己の力で解決していくところが愉快愉快…

あゝ野麦峠

山本茂実 角川文庫 この本を元にした映画を、中学校で観た記憶がある。 明治時代、製糸工場で働く女工たちの過酷な労働、 悲惨な生活、というのが書かれているのではないか、という 暗いイメージだったが、実際に読了してみて 確かに過酷な生活なのだが、そ…

江戸の少年

氏家幹人 平凡社ライブラリー タイトルだけだと 江戸時代の少年の生活を、暢気に分析したものかと思いきや まるっきり逆な、現代的な感覚では アウトロー的である世界が書かれている。

日本の黒い霧

上下 松本清張 文春文庫 下山事件他、戦後直後の占領統治されていた頃に起こった 怪事件に対しての松本清張独自の事件に対する推理本。 内容は重すぎ。いずれもの事件がアメリカのスパイ機関に 辿り着くらしいという。当時の暗部世界が書かれている。

問いつめられたパパとママの本

伊丹十三 新潮文庫 文科系人間でも楽しく科学知識がつく本らしい。 科学知識には興味あるくせに、 こういった本は眠くなるのだけど、やっぱり眠くなった。 いや、面白いしセンスもあるのだけどね。

江戸のガーデニング

青木宏一郎 平凡社(コロナブック) コロナブックはカラーが一杯だし絵も大きくていいなあ。 別冊太陽もいいのだけど、年月たつと背の糊がはがれてくるので注意。 タイトル通りの江戸時代の園芸ブームの内容を、 浮世絵と一緒に並べて解説している本。

殺人者はそこにいる

「新潮45」編集部/編 新潮文庫 <収録されている殺人事件> 西宮「森安九段」刺殺事件、井の頭公園「バラバラ」殺人事件、 京都「主婦首なし」殺人事件、柴又「上智大生」殺人放火事件、 熊本「お礼参り」連続殺人事件、名古屋「臨月妊婦」殺人事件、 埼玉「…

モンキー・パトロール 外伝

有間しのぶ 祥伝社 完全に完結。本編の脇役メインなのだが、 本編にさえ出なかった人が主役の話があったりして。 せつなさ度アップの内容。サホコ幸せになれよ……。

下山手ドレス(別室)

西村しのぶ 祥伝社 いやはや。物欲を起こさせるくせに、内容は古い (何せ8年前情報もあり)のもわかっているのに つい讀んじゃうエッセイ漫画。 当時の流行てなんだったかという回想ができるので、 掲載順に編集して欲しかった。

江戸の絵を愉しむ

榊原悟 岩波新書 「視覚のトリック」という副題がついてあるとおり、 江戸絵画を「視覚のトリック」の観点からみている書。 なので、変わり絵が好きな人向け内容。 各章のメイン絵は口絵カラーで他はモノクロ。

八十日間世界一周

ジュール・ヴェルヌ/著 鈴木啓二/訳 岩波文庫 19世紀後半の世界で使用できる、 ありとあらゆる交通機関を利用しての世界一周。 そして、当時の世界の風景も一緒に描いているのだけど……、 日本の描写変すぎ。天狗鼻の曲芸団って何? 鼻の上に人が乗っかってる…

フォークナー短編集

フォークナー/著 瀧口直太郎/訳 新潮文庫 <収録作品> 『嫉妬』『赤い葉』『エミリーに薔薇を』 『あの夕陽』『乾燥の九月』『孫むすめ』 『クマツヅラの匂い』『納屋は燃える』 フォークナーの小説はいずれも 狂信的で暴力的で埃っぽい南部を描いている。 …

凍てる庭

水上勉 新潮文庫 娘が誕生してから、一応小説だけで食べられるようになる頃までの 自伝的小説というか私小説。 この小説の世界はわかりやすくいうと、 つげ義春の漫画(『無能の人』あたりの系統)がよく似合う。 戦後直後だから貧乏暮しで、失業だの離婚だ…

わたしたちが孤児だったころ

カズオ・イシグロ/著 入江真佐子/訳 早川書房 子供時代に上海で暮らしていた主人公。 主人公の両親が相次いで失踪。 主人公はイギリスに戻り、失踪した両親を探すために 有名な私立探偵になる。 そして、日中戦争勃発直後くらいの上海へ 再び戻るのだが。 何…

奇想の図譜

辻惟雄 ちくま学芸文庫 主に浮世絵世界のタイトル通りの 奇想絵についての解説本。魅力的な内容であるけど、 掲載の絵が全てモノクロなのがなあ。 カラーだと内容の素晴らしさ200パーセントアップ。

GANTZ 1~19巻

奥浩哉 集英社 漫画喫茶で一気読み。 面白いい! まだ完結してないのだけど、 最新19巻の内容はちょうどいい区切りだった。 何らかで死亡した人々が「ガンツ」により復活され、 宇宙人と戦うストーリー、というのが基本なのが 途中で宇宙人じゃないのと戦っ…

夜叉の舌

赤江瀑 角川ホラー文庫 <収録作品> 『草薙剣は沈んだ』『月曜日の朝やってくる』『悪魔恋祓い』 『夜叉の舌』『春の寵児』『鳥を見た人』 『夜な夜なの川』『影の訪れ』『池』 『迦陵頻伽よ』 ホラーといえばホラー。 どちらかというと幻想小説系か。 どれ…

公園には誰もいない

結城昌治 講談社文庫 昭和40年代の作品なので時代背景は古いけど、 相当クールなハードボイルド小説。 ところで当時の厚化粧メイクって 今のギャルメイクをイメージすればいいのかな?

戦中派復興日記

山田風太郎 小学館 昭和26年、27年の日記。 戦後の日記は専業作家になってからか、 そう詳細に書かれていないので、地味な印象であるが、 この巻は啓子夫人との結婚前夜的な内容。 気になるのが、小学館はこの日記を全て実名のままで出してるの? 啓子夫人お…

闇に抱かれた女

T・J・マグレガー/著 古賀弥生/訳 創元推理文庫 サイコミステリがはやってたのは1990年代? これは1986年に書かれたもの。 サイコさん側の視点からも書かれているので、 犯人が女性だとすぐわかるのだが、とても痛々しい内容であった。

うつうつひでお日記

吾妻ひでお 角川書店 7/10発売のはずが、先日発売されていたので入手。 『失踪日記』発売までの日々の出来事と読書感想等描いた絵日記漫画。 特に何のイベントもなく、ただ淡々と日々を描いた内容なので、 ドラマは求められないが、日記本好きには非常に面白…

ノスリの巣

逢坂剛 集英社文庫 ノスリ漢字出ないー。「鳥」の上に「狂」が乗っかる漢字。 そんな百舌よりも不吉な名前の「ノスリのだんな」の正体とは……? これも百舌シリーズだけど百舌はでない。 一応最新版なのだけど、これ以降さらに書くのは厳しいのでは。 レギュ…

砕かれた鍵

逢坂剛 集英社文庫 百舌シリーズ三作目。といっても百舌は出ないわけで。 その代わり「シリウス」というのが出てきて、 おなじみのシリーズ登場人物たちを翻弄していく。 人が死にすぎだけど、そこまで? というくらい凄まじい。 (ちなみにその次の『よみが…

裏切りの日日

逢坂剛 集英社文庫 百舌シリーズじゃない公安警察もの。 でも、百舌シリーズでおなじみの津城が出てくるのところだけ 関連性あり? 悪徳警官が主人公で タイトルの雰囲気どおりノワールちっくなとこがいい。

大阪ハムレット 第1巻

森下裕美 双葉社 短編読みきりシリーズなんでろうけど、一話目の 『大阪ハムレット』がそのまま全体のタイトルになってるみたい。 それぞれ独立した話だけど、舞台は大阪を舞台にした人間劇場。 各話の登場人物がリンクしている。 作者は『少年アシベ』の人…