読書の記録_国外作家ま行

秘密 (上)(下)

ケイト・モートン/著 青木純子/訳 東京創元社 過去の事件を現代で解決しようとする作品。 第二次世界大戦時のイギリスの描写がよかった。 「秘密」がわかった瞬間が冷静に考えればそういう流れに なりそうとはわかるがびっくりした。

悪意の糸

マーガレット・ミラー/著 宮脇裕子/訳 創元推理文庫 1950年代のアメリカって上り調子なイメージあるが、 自立した女医が主役なのに、 女性はまだ弱者的立場だというのが本書でわかる。 人の善意よりも悪意が勝ってじわじわ嫌な展開への 持っていく流れが上手…

ぼくはお金を使わずに生きることにした

マーク・ボイル/著 吉田奈緒子/訳 紀伊國屋書店 時々説教臭いところもあるが読みやすい。 一年間お金を実際に使わず生活した男性の話。 でも、そんな生活をしても電脳生活からは手を切ることができないとは。

鳥のいない空―シンドラーに救われた少女

ステラ・ミュラー‐マデイ/著 田子歓也/訳 幻戯書房 ポーランド系ユダヤ人少女が 強制収容所から生還するまでの回想話。 タイトルからわかるとおり 彼女の一家はオスカー・シンドラーのリストに入っていたため 一旦アウシュビッツまで行くが シンドラーが管理…

闇の王国

リチャード・マシスン/著 尾之上浩司/訳 ハヤカワ文庫NV 第一次世界大戦中後のイギリスを舞台にした妖精譚。 戦場の話が怖くて、超自然な方はそれほどでも。 そもそもタイトルと中身がそぐわない。

宝石泥棒の告白 怪盗メイソン

ビル・メイソン、リー・グルエンフェルド/著 田村明子/訳 集英社 宝石泥棒としてアメリカで名を馳せた ビル・メイソンの自伝。 本当に宝石を盗むときはその場所にある枕カバーに入れるんだな というのが本書で解明される。 (『冬のフロスト』で怪盗枕カバー…

サイバラバード・デイズ

イアン・マクドナルド/著 下楠昌哉、中村仁美/訳 早川書房 <収録作品> 『サンジーヴとロボット戦士』『カイル、川へ行く』『暗殺者』 『花嫁募集中』『小さき女神』『ジンの花嫁』 『ヴィシュヌと猫のサーカス』 2047年の近未来のインドを舞台にした短篇集…

ナチを欺いた死体 英国の奇策・ミンスミート作戦の真実

ベン・マッキンタイアー/著 小林朋則/訳 中央公論新社 イギリスではかなり有名らしい 第二次大戦時の暗号名「ミンスミート」作戦についての ノンフィクション。 アマチュア小説のアイディアを実現させるMI5凄い。 イギリスとドイツとのスパイ戦は本当に興味…

フロイトの函

デヴィッド・マドセン/著 池田真紀子/訳 角川書店 夢の夢のまた夢の……と 進めば進むほど混沌な気分になってくる話だった。

言語都市

チャイナ・ミエヴィル/著 内田昌之/訳 早川書房 「新★」がついてからの銀背は本作が初読了。 『言語都市』は地球外の星が舞台。 半分くらいまで、状況がつかめず考えながら読んでたので 思ったよりも読了まで時間がかかった。 滅亡の危機になってからやっと…

アンランダン (上)(下)

チャイナ・ミエヴィル/著 内田昌之/訳 河出書房新社 『言語都市』を読み前に、ミエヴィルの未読本を読むぞ、 ということで。児童書でミエヴィル本人の挿絵もある。 救世主が救世主じゃなくなって 途中から選ばれざる者が主人公になるなど素直な展開じゃあな…

闇の展覧会 1

カービー・マッコーリー/編 矢野浩三郎、真野明裕/訳 ハヤカワ文庫 NV <収録作品> 『遅番』デニス・エチスン 『敵』アイザック・バシェヴィス・シンガー 『闇の天使』エドワード・ブライアント 『三六年の最高水位点』デイヴィス・グラッブ 『マーク イン…

ペルディード・ストリート・ステーション

チャイナ・ミエヴィル/著 日暮雅通/訳 早川書房 分厚い上に上下段! 最近の海外小説はどんどん話が長いのが多いのう。 シリーズ1作目らしいが、話は完結している。 架空の都市どころか人間と異形の者が共存している世界。 ミエヴィルが創造する世界って毎度凝…

地獄の家

リチャード・マシスン/著 矢野徹/訳 ハヤカワ文庫NV 所謂、呪いの古屋敷の謎を探るべく 四人の男女が立ち向かうが。 結構怖いが、ラストでの悪霊の正体に拍子抜けした。

アイ・アム・レジェンド

リチャード・マシスン/著 尾之上浩司/訳 ハヤカワ文庫NV 映画版観てないので、先入観なしで読む事ができた。 地球最後の人、という設定の話は他にもあるが かなり衝撃的な内容だった。 ふと藤子・F・不二雄のSF短篇漫画にも似たような話があったけど この小…

反社会学講座

パオロ・マッツァリーノ/著 イースト・プレス 「反」社会学の講座本。 タイトルは難しそうだけど、世間の文献の嘘を 検証する感じでわかりやすく面白かった。 ところで、カテゴリは国外作家でいいのだろうか? 千葉県民のイタリア人で日本語で書かれた本なん…

眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎

ダニエルT.マックス/著 柴田裕之/訳 紀伊國屋書店 狂牛病も関連して出てくるので、無関係ではないかもと。 イタリアのある一族の奇病から始まってるが、 話がとびとびの印象を受けて読みづらかった。 テーマは良いノンフィクション。

忘れられた花園 (上)(下)

ケイト・モートン/著 青木純子/訳 東京創元社 意外にも正統なゴシックロマンスで満足。 1913年のオーストラリア行きの船にたった一人で乗船していた 身元不明の少女。その少女の孫にあたる女性が 祖母が何者だったかという謎の解明のため、1970年代に祖母が…

都市と都市

チャイナ・ミエヴィル/著 日暮雅通/訳 ハヤカワ文庫SF いやー複雑! 一見警察ミステリのような出だしなのだが、 ヨーロッパにある、同じ場所にある二つの都市の設定が突拍子もない。 互いの領土がモザイク状になっていて、 目と鼻の先の場所でも互いの都市の…

ジェイクをさがして

チャイナ・ミエヴィル/著 日暮雅通/ほか訳 ハヤカワSF文庫 <収録作品> 『ジェイクをさがして』『基礎』『ボールルーム』 『ロンドンにおける“ある出来事”の報告』『使い魔』『ある医学百科事典の一項目』 『細部に宿るもの』『仲介者』『もうひとつの空』 …

ルイザと女相続人の謎

アンナ・マクリーン/著 藤村裕美/訳 創元推理文庫 『若草物語』の作者が若かりし頃に体験した 事件を回想するという時代ミステリー。 謎解きはそれほど複雑ではないけど、 語り手のオルコットが親切に当時の時代背景を 都度説明してくれるので、 19世紀アメ…

解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

ウェンディ・ムーア/著 矢野真千子/訳 河出書房新社 近代外科医の父、ジョン・ハンターの伝記。 解剖オタクで医学はもとより珍しい生物を求めて 多数の剥製を作ったりして個人博物館までつくってしまった 相当時代の先を進んでしまった人物であった。 ドリト…

村上龍自選小説集4

村上龍/著 集英社 <収録作品> 『コインロッカー・ベイビーズ』 『昭和歌謡大全集』 『だいじょうぶマイ・フレンド』 『昭和歌謡大全集』以外は初読。 『コインロッカー・ベイビーズ』は、 昔最初の段階が気持ち悪く感じて読めなかったのを 再挑戦。 なんだ…

別れの顔

ロス・マクドナルド/著 菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 約15年ぶりの再読。 家族の悲劇が実や親世代から始まっていたという事実。 悲劇のあぶり出しには感心するのだが、 一見無関係にみえた人物たちが 皆繋がっていたという流れ。 そんな世間が狭くて良…

初めてリーダーとなる人のコーチング -チームの力を引き出し、個人を活かす23章

パトリック・J・マッケナ、デビッド・H・マイスター/著 伊豆原弓/訳 日経BP社 仕事本。専門職の現場リーダー向け本。 実践的で具体的な内容であり、難解度は相当低く読みやすい。 この本で書いてある通り現場の案件を減らさずに マネジメントの仕事もしなく…

洋梨型の男

ジョージ・R・R・マーティン/著 中村融/訳 河出書房新社 <収録作品> 『モンキー療法』『思い出のメロディー』『子供たちの肖像』 『終業時間』『洋梨型の男』『成立しないヴァリエーション』 奇想コレクションシリーズ最新刊。 ファンタジー、SFで定評ある…

夏の涯ての島

イアン・R・マクラウド/著 浅倉久志・他/訳 早川書房 <収録作品> 『帰還』『わが家のサッカーボール』『チョップ・ガール』 『ドレイクの方程式に新しい光を』『夏の涯ての島』 『転落のイザベル』『息吹き苔』 日本オリジナル短篇集。 「老い」「孤独」「…

ナチが愛した二重スパイ

ベン・マッキンタイアー/著 高儀進/訳 白水社 「事実は小説より奇なり」がぴったりなノンフィクション。 平時では生来の犯罪者であったチャップマンが、 第二次大戦中、ひょんなことでナチのスパイとしてスカウトされる。 訓練を受けてイギリスへ戻されたの…

愛という名の病

パトリック・マグラア/著 宮脇孝雄/訳 河出書房新社 1930年代、第二次世界大戦突入直後のイギリス。 かつて愛した女性の思い出を、 女性の息子に語りかける文体で書かれた話。 恋愛小説風なのが、話が進むにつれ 語り手の歪みが徐々に滲み出て来て全く油断で…

失われた探険家

パトリック・マグラア/著 宮脇孝雄/訳 河出書房新社 <収録作品> 『天使』『失われた探険家』『黒い手の呪い』 『酔いどれの夢』『アンブローズ・サイム』 『アーノルド・クロンベックの話』『血の病』 『串の一突き』『マーミリオン』『オナニストの手』 …