2005-01-01から1年間の記事一覧

近所迷惑―自選短篇集〈1〉ドタバタ篇

筒井康隆 徳間文庫 収録作品: 『近所迷惑』『おれは裸だ』『経理課長の放送』 『弁天さま』『欠陥バスの突撃』『自殺悲願』 『慶安大変記』『アルファルファ作戦』『アフリカの爆弾』 タイトルの「ドタバタ」が相応しい内容。 あまり筒井の小説を読んでいな…

めぞん一刻

全15巻 高橋留美子 小学館(ビックコミックス) 休日はこれを読んでいました。 アニメはたまに観ていたけれど、漫画は初めて。 なげーよ。 最大のライバルが死んでいる人なため、 長い年月をかけるんだろうが長過ぎ。 面白いけど、年月かけすぎの一言につき…

夢みる動物たち

田中光常 講談社 ほ乳類、は虫類、鳥類等の めったに見ることができない動物の寝姿の写真集。 可愛いよ可愛いよ。 そんな中に、着ぐるみっぽく 中に人間が入っているような感じの 体型だったからか、一番可愛くないのはコアラだった。

嵐が丘

エミリー・ブロンテ/著 鴻巣友季子/訳 新潮文庫 『ガラスの仮面』でちょっと筋を知っていたくらいだったけど、 実際読むと単なる身分違いの恋愛ものではないのが良くわかった。 ここで出てくる一族は特殊な感じはするが 当時の家族観がわかった気がする。 子…

博物誌

ルナール/著 岸田国士/訳 新潮文庫 とても軽く楽しく、あっという間に読める、 当時のフランスの田舎では身近な生き物たちについての スケッチ集。 同じ著者で、読後感がトラウマ本で有名な『にんじん』とまるっきり違うらしい。 らしい、というのはあらすじ…

アンナ・カレーニナ

(上)(下) トルストイ/著 木村浩/訳 新潮文庫 未読の名作を読んでみようシリーズ? 率直な愛で、家庭を捨てて(でも離婚せずに) 愛人と暮らすアンナの生涯。 アンナとヴロンスキーというカップルと対比させて、 純愛夫婦なリョービンとキチイが出て来…

どうぶつのおやこ ホッキョクグマ

オナー・ヘッド/文 グレアム・ローズウォーン/絵 今泉忠明/日本語版監修 ゆりよう子/訳 小峰書店 タイトル通りの内容。 ホッキョクグマの親子の写真とイラストが満載な本。 でも、イラストよりも写真がもっとあるといいなあ。 吹雪の日に寝ている姿は凍…

どうぶつのおやこ ホッキョクグマ

オナー・ヘッド/文 グレアム・ローズウォーン/絵 今泉忠明/日本語版監修 ゆりよう子/訳 小峰書店 タイトル通りの内容。 ホッキョクグマの親子の写真とイラストが満載な本。 でも、イラストよりも写真がもっとあるといいなあ。 吹雪の日に寝ている姿は凍…

スペードの女王・ベールキン物語

プーシキン/著 神西清/訳 岩波文庫 プーシキンは詩人なイメージだけどこれは小説。 後ろの解説に「プーシキンを知らない者などいない!」 みたいな書き方している(昭和20年代に書かれたもの)が、 21世紀の日本では知らない人の方が多そう。 私もぱっと出な…

北愁

幸田文 新潮文庫 喜怒哀楽の「哀」の話なのだな、と思う。 対照的で仲はそれほど良くないけれど、なんとなく付き合いがある 歳が離れた従兄妹同士、それぞれの人生。 結婚・離婚・再婚についての動きが、 「すばやい」主人公がなかなか動けず、 「のろい」従…

血脈

(上)(中)(下) 佐藤愛子 文藝春秋 (上)は二週間前に読了。(中)は先日、(下)は本日読了。 自分の一族の話を赤裸々に書いた、作者本人の最高傑作。 ところどころの話は、過去の小説でも何度も語られているけど、 それでも『血脈』は面白い。 佐藤家…

複合汚染

有吉佐和子 新潮文庫 小説じゃないようだけど小説らしい。 30年以上前の、環境問題に関する話。 21世紀になった今は当時よりは。 エコブームとかいうので、ましになっているのだろうか。 しかし、導入部の選挙話が途中でどっかいってしまったけど、 結果はど…

八つ墓村

横溝正史 角川文庫 映像化したものは何度か観たことあったけど、 原作を読むのは初めて。 辰弥視点から、この話は語られているので何か新鮮だった。 都会育ちの青年の視点から田舎の迷信めいた世界を 書いているので、より『日本残酷物語』の世界みたくなっ…

喜びは悲しみのあとに

上原隆 幻冬社アウトロー文庫 世間から挫折、みたいな立場の人たちがどう立ち直るのか、 というルポ(コラムと裏表紙あらすじでは 書いているけど、ルポじゃないかと感じるので)。 この中の「仕事がなくなった」は、 前の会社であったことと少し似ている(…

アルプスの少女ハイジ

ヨハンナ・スピリ/著 関泰佑・阿部賀隆/訳 角川文庫 去年はアニメ放送30周年だったなあ。 この本はアニメの原作本。 ハイジは5歳でおじいさん(70歳くらいらしい)に 引き取られて、8歳でクララに会ったらしい。 にしても、ハイジは動きまわり過ぎ。 年齢…

知識人99人の死に方

荒俣宏/監修 角川ソフィア文庫 『人間臨終図巻』に出ている人物が かぶってない方がいいのに(引用までしてるし)。 あと、思い入れたっぷりの文章があったりするけど、 いかがなものか。 むしろ、淡々と記録のみしてある 巻末の「戦後著名人怪死・一覧」が…

監督不行届

安野モヨ子 祥伝社 モヨ子旦那は庵野秀明監督です。 ところで、女性コミック雑誌連載時に、 ここに出ていたアニメやら特撮ネタが 完全にできていた人っていたのだろうか……? オタク夫婦エッセイとしては、純粋に楽しめたけど、 上記事項は私もあまりよくわか…

さくらん

安野モヨ子 講談社 きよ葉みたいな性格の花魁はありえなさそうだが、 勢いあるので面白い。ゴージャスな着物姿が見られるのでいいや。 ていうか、読むまでタイトルが主人公の名前と思っていたよ。

中原淳一 きもの読本

中原淳一 平凡社 文章の内容は、もう着物が日常服でなくなっている 昭和30年代から40年代の内容なので、 現代読んでもそんなに違和感ない。 つうか、中原先生の目線は男性なのに、女性そのものだよなあ。 挿絵多数で嬉しいだ、私自身の好みは戦前のもの。 戦…

夏目漱石全集5 三四郎/それから

ちくま文庫 再読本なので、いつもと違う視点で読んでみた。 『三四郎』 三四郎の若さゆえの馬鹿っぽさは、まあ二の次。 美禰子の心理が読めないのは、三四郎の目で話が進むので当然。 ただ、広田先生みたいな人を出すのが この小説の凄いところだと思う。 だ…

紫の履歴書

三輪明宏 水書房 なんとなく読んでみました。 美貌写真は素敵でした。 若かりし頃の普通の格好の写真が男装麗人、 というか男性なんだが。 女装のほうが違和感なし。 今の黄色い髪は止めた方が良いのにと 写真を見つつそう思う。 肝心の内容の小説仕立ての自…

二つの祖国

全3巻 山崎豊子 新潮文庫 分厚く全三冊。 本当は全部読むつもりじゃなかったのに、 気になって気になって、結局二日がかりで読了。 なのに、結末がまたそれなのさ……。 ところで何で主人公ケニーは、 なぜエミーと結婚したのかわからないよ。 エミーと結婚せ…

小説帝銀事件

松本清張 角川文庫 小説なの? 社会派推理ものらしいのに、ほぼドキュメンタリーのように 見えるのは気のせい? 事件については、簡単に↓が書かれています。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%9D%E9%8A%80%E4%BA%8B%E4%BB%B6

失踪日記

吾妻ひでお イーストプレス 吾妻さんの漫画、まともに読むのこれが初めて。 『ななこSOS』のアニメ(原作だよね?) はかすかに覚えてるくらいだ。 本作は、ホームレス編、ガス配管工編、漫画家生活編、アル中編、 と全部本人実話(!)を元に描かれてる。 …

総門谷

高橋克彦 講談社文庫 この間テレビでたまたま観たオーパーツのネタが ぎっしり入っていた。テレビが予習になったので 登場人物たちが何語っているかはわかったよ。 UFOから始まり、ノストラダムスの大予言まで出てきたし。 スケールでっかいねえ、というか何…

高橋克彦版 四谷怪談

高橋克彦 講談社文庫 ベースはむろん鶴屋南北版。 基本にのっとりつつも現代風に怖がらせている。 お袖の因果話が江戸時代のものっぽいよなあ、と思う。 伊衛門の、状況に流されて悪人ぶりが強くなる過程がいい。 いい人な伊衛門はいやだなあ。 しかし、お岩…

女系家族

山崎豊子 新潮文庫 昭和30年代とは思えないような、旧時代然した世界の話。 大阪の大商家の三姉妹が、遺産相続で陰湿な争いを して、それのおこぼれを預かろうと周りの人間が関わって、 どろどろしすぎ。読んでいて不愉快になっていく。 亡くなった三姉妹の…

モンキー・パトロール 第6巻

有間しのぶ 祥伝社フィールコミックス もう内容が気になるので、雑誌も読み出している漫画。 6巻は、もう香ちゃんモリタ良かったよねの巻だ。 あとストーカー治郎もな。 雑誌読んでいたので、帯推薦者で既に笑えた。 次は、釈由美子もコメント寄せて欲しい………

死と彼女とぼく

全5巻 川口まどか 講談社漫画文庫 1巻目が絵と後のが絵が違い過ぎるけれど、 テーマは一貫としているので安心して読める。 でも、ゆかりはユーサクに出会う前はちょっと ヤンキーだったの? どんどん後のになるにつれ お嬢様系になっているよ。 死者との関わ…

不信のとき

有吉佐和子 新潮文庫 浮気の代償の大きさ、愚かさというのがテーマか? 浮気がばれたときに出された妻の衝撃のカードが恐ろしい。 当時大反響で映画化にもなったらしい。 印刷業界が左うちわの好景気、 というところで何故か時代を感じてしまうのであった。