2008-01-01から1年間の記事一覧

白と黒

横溝正史/著 角川文庫 後期の金田一耕助もの。 結構分厚いけど読みづらくはないとはいいつつも 内容はダメダメ。 現代だったら発表不可になりそうな箇所がありまくりだしな……。

ひかりごけ

武田泰淳/著 新潮文庫 <収録作品> 『流人等にて』『異形の者』 『海肌の匂い』『ひかりごけ』 ここで収録されているのは皆読みやすい。 淡々とした文体だからだろうか。 実在事件を元にした『ひかりごけ』は初読だったが 人肉食い事件の陰惨さというよりも…

くままごと 第1巻

黄島点心 徳間書店 人気マンガらしいのだけど 子グマも含めて可愛くないし、 ママが毎回痛い目あう話があざとさを感じさせて あまり笑えないので、続き読む予定なし。

流れよわが涙、と警官は言った

フィリップ・K・ディック/著 友枝康子/訳 ハヤカワSF文庫 キャンベル記念賞受賞作。 タイトルカッコいいなー。 歌手のジェイムズ・タヴァナーが 思わぬ事故の直後で目を覚ますと 自分についての記録が全て抹消されていた…… というスリリングな展開で幕をあけ…

贋・久坂葉子伝

富士正晴/著 講談社文芸文庫 当時では最年少の18歳で芥川賞候補にもなり 昭和27年の大晦日に21歳で自殺した 久坂葉子についての私小説。 ちなみに久坂葉子こと川崎澄子は 川崎財閥の一族出身。父は元男爵。 鉄道自殺はやめれ、と言いたいが、 戦後になって一…

鳥 デュ・モーリア傑作集

ダフネ・デュ・モーリア/著 務台夏子/訳 創元推理文庫 <収録作品> 『恋人』『鳥』『写真家』 『モンテ・ヴェリタ』『林檎の木』『番』 『裂けた時間』『動機』 表題作にもなっている『鳥』は ヒッチコック映画の原作。といっても映画は 原案的なアイディア…

震える岩 霊験お初捕物控

宮部みゆき/著 講談社文庫 忠臣蔵の謎が、死霊憑きがきっかけで明らかに? 捕物+超能力という組み合せは 突飛な感じもするけれど、 意外にも相性が良い仕上がりであったし 時代小説に馴れていない初心者でも読みやすい。

僕の小規模な生活 第2巻

福満しげゆき 講談社 薄さにびっくり! 掲載ページ数が減ったためなんだねと 内容見てわかったけど。 話数が1巻より多いからいいか。 4コマぽい形式な方より、一応ストーリー形式で まとまっている方がこの人の漫画は面白いと思う。 自ら男版不思議ちゃんと言…

「週刊新潮」が報じたスキャンダル戦後史

新潮社/編 新潮社 こちらは『週刊新潮』創刊50周年記念で 過去記事をまとめたもの。 有名な事件が多く取り上げられているので 参考にはなるけど、やはり一誌だけの内容なので 現在から見ると偏ったものもあるなと思う。

昭和十二年の「週刊文春」

菊池信平/編 文春新書 といっても昭和十二年当時は『週刊文春』は存在していない。 代わりに、似たような月刊誌『話』というのがあり その記事を編集し直したのが本書。 日中戦争(支那事変)の年なのだが、 戦時ネタと平時ネタが交差している所が面白い構成…

あさま山荘銃撃戦の深層

大泉康雄/著 小学館 あさま山荘事件当事者である 吉野雅邦の親友である著者によって、 事件関係者の証言、未公開手記 (吉野雅邦と金子みちよとの書簡など)が 使われたルポタージュ的内容。 加害者だけでなく、被害者家族のインタビューも あるので貴重な内…

私を離さないで

カズオ・イシグロ/著 土屋政雄/訳 早川書房 「提供者」を介護する仕事をしているキャシー・H。 「介護者」である彼女は「提供者」と呼ばれる者たちと同じ ヘールシャムという施設の出身であった。 ----------- 「提供者」についてのSF的な設定も取り入れられ…

続 あさま山荘1972

坂口弘/著 彩流社 『あさま山荘1972』の続編。 ほとんどが山岳ベース事件の内容で、 逆海老反りで緊縛するなどよく そんなひどい方法を思いつくよな……、 とこのくらいはまだ序の口で 非常に残酷な総括という名のリンチの場面や 処刑の内容が、 当事者により…

蛸の八ちゃん

田河水泡 講談社漫画文庫 以前は読みづらいなあと放置していたのだけど、 先日読了。 なぜか読みやすく感じた。 表紙の八ちゃんがソバをすする絵が 首つりしているように一瞬見えたなのは何だったのだろう。 疲れてるんだろうか? 蛸の八ちゃんが、人間社会…

連合赤軍27年目の証言

植垣康博/著 彩流社 やっと読了本追いついた……。 『レッド』岩木泰広のモデル。 年表を見ると、今年で出所してから10年たったようだ。 内容は出所後のインタビューものと 刑務所内での生活を書いた当時の手紙から構成。 ミンクの毛皮のコートを刑務所内で作…

あさま山荘1972年 (上)(下)

坂口弘/著 彩流社 ということで、連合赤軍関係での幹部だった人物の手記。 『レッド』の谷川博のモデルの人。 本人の生い立ち、運動に関わる経緯、あさま山荘事件が記載。 あさま山荘内で盗聴に備えて自分たちの名前を山の名前から、 というのが『レッド』の…

獄中からの手紙

永田洋子/著 彩流社 『レッド』の赤城容子のモデル。 参考書として読了。 10/11の三浦和義自殺騒ぎに隠れてしまっていたが、 永田洋子が危篤というニュースが出ていた。 10/13現在続報はでていないぽい。 彼女の死刑判決出てからの生活などが中心。 この本で…

新耳袋 第十夜

木原 浩勝、中山 市朗/著 角川文庫 ラストの巻。でも、最後の話が 過去の巻へと繋がっていることでループ感が。 読んでいる間は不気味な気分が続いて 本当は精神衛生上良くないかもなあ。

新耳袋 第五夜

木原 浩勝、中山 市朗/著 角川文庫 最近家族が入手したので。 薄っぺらい本なのに、一日で読み終わらないように 苦労するんだ。 不動産系はよくある話だけどやはり怖いよなー。

レッド 第1巻~2巻

山本直樹 講談社 ノンフィクション犯罪ものは絵や写真があるのが苦手なので、 読むのを迷ってたけど、あじま先生が1巻を○にしてたので 読む決心がついたよ。 絵は地味だけど、面白い。 自分が生まれる前の事件なためか、歴史として感じるなあ。 最初に気にな…

新うしろの百太郎

つのだじろう 講談社 つのだじろう漫画は、私の趣味ではなく家族の趣味です。 無印の続編らしい1980年代の作品。 1998年日本ほぼ沈没や1999年のノストラダムス予言と リンクさせた悪霊軍団の話が……。 リアルタイムに読んでいたら怖いだろうけど、 もう21世紀…

うつうつひでお日記 その後

吾妻ひでお 角川書店 で、続編。 公式ホームページよりの転載だそうで、 前半はほとんど文、 後半は絵日記。 個人的には読書記録の箇所が、 本を探すときや、読むのを迷っている漫画にたいしての 指標になるので問題なし。 あと、たまに公式チェックしてるけ…

ネオデビルマン (上)(下)

<上巻執筆陣> 永井豪、萩原玲二、江川達也、寺田克也、石川賢 ヒロモト森一、永野のりこ、安彦良和、三山のぼる、とり・みき <下巻執筆陣> 永井豪、岩明均、田島昭宇、高寺彰彦 夢野一子、黒田硫黄、風忍 『デビルマン』が神懸かりというか悪魔懸かりな…

上海・ミッシェルの口紅 林京子中国小説集

林京子/著 講談社文芸文庫 <収録作品> 『上海』『ミッシェルの口紅』 純粋な創作小説を期待したら どうやら随筆に近い私小説で肩透かし。 一部流し読みで読了。 『上海』は日中国交正常後に、かつての故郷<上海>へ ツアー旅行で訪問する内容。 当時の中…

連合赤軍「あさま山荘」事件

佐々淳行/著 文春文庫 「あさま山荘事件」の 警備幕僚長として指揮官だった著者による事件の全貌。 警察側の視点で書かれているとはいえ、 あきらかに、連合赤軍がテロリスト軍団というのが よくわかる内容であった。 あとは、「危機管理」というものを何度…

不肖・宮嶋 踊る大取材線

宮嶋茂樹/著 新潮文庫 不肖・宮嶋の半生を書いた自伝。 軽めな文体なのですらすらに読めるけど その底は結構シリアスな感じに読めた。 写真も、もちろんいいけど、意外にも熱い内容だった。

月光条例 第2巻

藤田和日郎 小学館 『一寸法師』話がメイン。 そして3巻へ続く『シンデレラ』話の導入話まで。 なんか、破壊力がますます大きくなって 氷河期になって世界が滅びる直前まで行ってたよ。 すげー。 主人公の月光の誰でも知っているはずの おとぎ話の知識が全く…

新吼えろペン 第11巻

島本和彦 小学館 この巻で完結。炎尾のアシスタントたちが 独立しメジャーな漫画家になるかという所ばかりで 主人公は? と思ったら 後半で爆発してた、さすがだ。 漫画界のパクリ問題がテーマで終わるとは思わなんだー。

悲の器

高橋和巳 新潮文庫 著者のデビュー作。 最近は消えた作家扱いのようですね。 奥さんは『怒りの子』の高橋たか子。 語り手である世界的権威がある刑法教授の 女性スキャンダル事件が波紋となって 彼の生活に影響をおよぼしていく話。 1960年代の新聞ってゴシ…

黄金仮面

江戸川乱歩 角川文庫 <収録作品> 『黄金仮面』『何者』 『D坂の殺人事件』『心理試験』 『何者』以外は再読。 『D坂の殺人事件』と『黄金仮面』との 明智小五郎の変わり様を楽しんだ。 以下はネタバレ内容です。