読書の記録_国外作家さ行

輝く断片

シオドア・スタージョン/著 大森望/編 河出書房新社 <収録作品> 『取り替え子』『ミドリザルとの情事』『旅する巌』 『君微笑めば』『ニュースの時間です』『マエストロを殺せ』 『ルウェリンの犯罪』『輝く断片』 最近お気に入りの奇想コレクションよりで…

ハイペリオン

ダン・シモンズ/著 酒井昭伸/訳 早川書房 本編517ページ二段組み。文庫版だと二巻分にまとめられている ハイペリオン四部作の第一作目。 分厚いよ! 28世紀、人類は宇宙へ進出し、二百にのぼる惑星を 転移網で結び連邦を形成していた。 その辺境に位置する惑…

ヴィーナス・プラスX

シオドア・スタージョン/著 大久保譲/訳 国書刊行会 「未来の文学」のひとつ。 アメリカ人・白人男性のチャーリー・ジョンズが 突然トランポートされた場所はレダム人という、 人類に取って代わった新人類? がいる世界だった。 彼らはチャーリーに自分達の…

夜更けのエントロピー

ダン・シモンズ/著 嶋田洋一/訳 河出書房新社 <収録作品> 『黄泉の川が逆流する』『ベトナムランド優待券』『ドラキュラの子供たち』 『夜更けのエントロピー』『ケリー・ダールを探して』『最後のクラス写真』 『バンコクに死す』 今更ながらダン・シモン…

人はなぜエセ科学に騙されるのか (上)(下)

カール・セーガン/著 青木薫/訳 新潮文庫 カール・セーガンのラストエッセイ集。 タイトル通り、所謂エセ科学(UFO、ミステリーサークル等)と 本当の科学とはということについて、科学者としての見解を書いたもの。 講義的な構成なので、真面目な内容。 個…

ナナ

エミール・ゾラ/著 川口 篤、古賀 照一/訳 新潮文庫 ファム・ファタール! まさにこの言葉が相応しい話。 『居酒屋』の主人公の娘、ナナが主役の話。 女優、高級娼婦と己の肉体を武器にしていく人生を歩むナナ。 当時の悪徳といわれるものにまみれた ナナとそ…

M・R・ジェイムズ怪談全集1

M・R・ジェイムズ/著 紀田順一郎/訳 創元推理文庫 <収録作品> 『アルベリックの貼雑帳』『消えた心臓』『銅版画』 『秦皮の樹』『十三号室』『マグナス伯爵』 『笛吹かば現れん』『トマス僧院長の宝』 『学校綺譚』『薔薇園』『聖典注釈書』 『人を呪わば…

飛ぶのが怖い

エリカ・ジョング/著 柳瀬尚紀/訳 新潮文庫 1950年代生まれの女性が20代後半の頃の話で、 著者の自伝っぽい内容らしい。 人妻(かつユダヤ人)の奔放な性の話が話題だったのだろうか、当時は? あまり興味も持てずにだらだら読了だったが、 主人公の夫が精神…

居酒屋

ゾラ/著 古賀照一/訳 新潮文庫 お酒はほどほどにネ☆ そんな教訓が読了後出てきてしまうくらい 「酒は身を滅ぼす」過程が描かれている。 何しろ、一滴も飲めなかったクーポーが 怪我の憂さ晴らしに酒を飲みだしてから アル中へのラブリーな生活(by『失踪日記…

ジュスチーヌまたは美徳の不幸

サド/著 植田祐次/訳 岩波文庫 タイトル通り、美徳が悪徳に迫害される話。 エログロ(といっても文章がアレなので ビジュアル化しない限りは平気だ)なところや 悪者の悪の思想演説は、 正直電車通勤のお供には厳しいよ。 目が滑りまくり。面白半分で読むも…

虚栄の市

全4巻 サッカリー/著 中島賢二/訳 岩波文庫 タイトルが堅苦しい(原題は『VANITIY FAIR』)し、 18世紀末から19世紀初頭のお話なのでとっつきにくい感じがするが、 内容的には、虚栄の市を行き来する人々の人間悲喜劇の物語なので とても読みやすかったりす…

ねじの回転 デイジー・ミラー

ヘンリー・ジェイムズ/著 行方昭夫/訳 岩波文庫 収録作品/『デイジー・ミラー』『ねじの回転』 何度読んでも面白いなあ。 結構内容書いてみる。

香水―ある人殺しの物語

パトリック・ジュースキント/著 池内 紀/訳 文春文庫 ハードカバー版が出始めの頃の読了本を再読。 18世紀フランスに出現した、 醜いが匂いについては天才的な男の奇想天外な生涯を描く物語。 というだいたいのあらすじは憶えていたにもかかわらず、 詳細と…

怒りの葡萄

(上)(下) スタインベック/著 大久保康雄/訳 新潮文庫 とっかかりが読みづらかったが、慣れれば問題なし。 文句なしの名作。 20世紀前半の世界大恐慌時代のアメリカ失業問題の話なのだよね。 ジョードー一家は葡萄摘みの仕事はしていなかったので、 タイ…

スペードの女王・ベールキン物語

プーシキン/著 神西清/訳 岩波文庫 プーシキンは詩人なイメージだけどこれは小説。 後ろの解説に「プーシキンを知らない者などいない!」 みたいな書き方している(昭和20年代に書かれたもの)が、 21世紀の日本では知らない人の方が多そう。 私もぱっと出な…

アルプスの少女ハイジ

ヨハンナ・スピリ/著 関泰佑・阿部賀隆/訳 角川文庫 去年はアニメ放送30周年だったなあ。 この本はアニメの原作本。 ハイジは5歳でおじいさん(70歳くらいらしい)に 引き取られて、8歳でクララに会ったらしい。 にしても、ハイジは動きまわり過ぎ。 年齢…

生きながら火に焼かれて

スアド/著 松本百合子/訳 ソニー・マガジンズ この本で書かれている体験談が、 いまだにおこなわれているという事実に恐怖。 その国の昔からの慣習だとかといっても、 いまや通用しないでしょう。 19世紀以前の話じゃないんだから。 「名誉の殺人」に時効…